冷静になって中日ドラフト2021分析
今日の試合はとにかく柳に勝ちがついて良かった。これで11勝で自己最多タイ。九里が12勝目を挙げたのが痛いところだが...
本題に移る
1.鵜飼について
前回の記事であまりにも鵜飼の指名を批判してしまったので冷静になって考えてみると
まあ、鵜飼の三振率はともかく打率が低いことなんかはさすがにプロスカウトも見てるわけで、三振が多いなあというのは気づいていることだろう。それでも2位で指名したというのはやはり、プロの指導でどうにかなると考えてのことではなのだろう。スラムダンクで202㎝の魚住に対し綾南の監督の田沢?だったかが言っていた。俺はお前を指導することはできるが身長を高くすることはできないというようなことを。そういった意味で鵜飼は肩も強く脚も速い。そして、長打力。飛距離だけは誰にも負けないほどだ。似たようなタイプの安田は2位で消えた。鵜飼のスイングは素人目に見ても首をかしげるようなフォームで、改良の余地は十分にあると思われる。
確かに三振率が高いと活躍する可能性が低いというのはその通りであるが、今年佐藤輝明がそのジンクスを打ち破った。鵜飼が大化けする可能性もある。とはいえその佐藤よりも指標が悪いのが鵜飼であって並大抵のことではプロで活躍できないだろう。やはり、正木のほうが佐藤隼のほうがと考えてしまうのは当然の話だ。だがそういった考えが間違っていたと認めさせるだけの活躍を鵜飼には見せてほしいし、育成もしっかりしてほしい。というか中日にはその義務があるというのは考えが変わらない。
2.前川田村阪口の指名について
4位あたりで前川田村阪口の長距離砲を獲得してほしかったという声をよく聞く。確かに彼らは中日に不足しているスラッガーとなる素質を持っている。それは間違いない。だから味谷ではなく、彼ら三人のうちいずれかを指名してほしかったというのは分かる。しかし、補強ポイントを解決するためにいまさら高卒選手を獲得するのは遅すぎる。補強とは高卒選手を獲得することではなく、即戦力の野手を獲得すること、外国人選手を獲得すること、トレードやFAで選手を呼ぶことである。
前川、田村、阪口はとくに前者二人は左利きであり、ポジションとしては両翼かファーストという事になる。前川阪口は外野守備ですら危うい。外国人打者で補うことができるのがレフトやライト、ファーストというポジションである。もしくはコンバートも容易なのがこのポジションだ。例えば郡司、石橋がレフトを守ってみたり石川にやらせてみたり、何かと都合がつくのがこのポジションだ。
それに対して味谷のポジションはキャッチャー。とんでもない強肩とそれに似合わないようなバットコントロールの良さが持ち味の選手。長距離砲ではないもののキャッチャーとして十分勝負できる選手だ。そこが高木(県岐阜商)や中川(京都国際)との違いだ。そしてキャッチャーは両翼と違い簡単には補強はできない。
現在の補強ポイントではないものの将来を見据えて獲得したとみるべきだろう。
また、味谷が入ったことで郡司やアリエルの外野コンバートも行いやすくなるという意味でもプラスだ。実際にドラフト翌日のフェニックスリーグから郡司がレフトの守備に初めてつき、いよいよコンバートがなされていくのかもしれない
星野についても同じだ。二遊間は簡単には補強できない。京田がいるから、土田がいるからといっても将来を見据えて獲得が必要なポジションだ。というか星野は長打力のある選手だ。40本50本と打てるようなタイプではないかもしれないがバットコントロールの良さから3割20本が期待できるくらいのスペックはあると考える。
つまりある程度どうにかなりそうなポジションは補強と即戦力で補い、将来を見据えてセンターラインはしっかり強化していくという意味で良い指名であったと考える。
ましてや2位で鵜飼を獲得している以上4位でも両翼しかできないような選手を獲得するわけにはいかないのではないか。
3.ドラフト指名の傾向について
ここまで思い切った野手ドラフトは本当に珍しいことで、過去ずっと振り返っていっても思い当たらないほどではないだろうか。ピッチャーにある程度余裕が出てきたのと野手が崩壊しているためか。
取った選手がいいか悪いか、それは置いておいて、
・俊足好打に偏らず、大卒のスラッガーを上位でしっかり獲得しに行った
・補強ポイントを見据えた指名を行った
・高卒Pばかりとるのをやめた
・前川阪口田村畔柳など地元で騒がれている選手を取りにいかなかった
・センターラインで好素材を獲得し、地盤を固めに行った
このあたりの戦略は非常に良いと思ったし、前年の反省を活かせていると思った。
4.今後の指名について
来年は山田健太や矢澤、再来年は佐々木鱗、3年後は佐々木泰と野手の目玉となる素材が多く揃っている。(しかも山田と佐々木泰は地元)今年野手を獲得しすぎたせいでこれらを取り逃すことになるのではないかという意見がある。しかしそんなことはないと思う。なぜならば中日は投手のほうが全体的に若く、層が厚いが野手は全体的に高年齢で層も薄いからだ。はっきり言って首が涼しい野手は割と数多い。
内野手では石岡、溝脇
外野手では滝野
捕手では山下
このあたりは明日にも戦力外になってもおかしくないと感じる。
大野や平田もこの調子なら数年以内に引退。福留も来年がラストイヤーとなるだろう。
大島福田直倫もいつまで現役でやれるかはわからない。
しかし、投手はとなると割と候補は少ない。
右腕では岡野、佐藤、マルク
左腕では濱田
あたりが候補だろうがすぐ戦力外にするほどとは思えない。
年齢が高い選手も谷元くらいであとはケガ持ちの石川翔、福島が育成落ちするくらいだろうか。だが二軍で好成績を残している垣越、上田は支配下登録されるのではないかと考えると、投手はそこまで人数が減ることはなく、年齢層も低めだ。
今年ほどの野手偏重ドラフトはできないかもしれないが、投手3:野手3でバランスよく指名することはできそうだ。