2021年ドラフトに向けて
スカウトのコメントなどを見るに今年のドラフトでは「即戦力の右の大砲」を狙っているようだ。まあそれが必要なことは素人でもわかるし、なぜ去年のうちに指名しなかったのかと言いたくはなるがそれは置いておこう。しかしながら、今年のドラフトは即戦力野手が不足しており、大卒左腕が豊作であると予測されている。そのため、中日からしてみれば少し難しいドラフトになるかと思われる。以上を踏まえて今年のドラフトの指名戦略を考えてみると
1位即戦力外野手(大砲候補)
2位即戦力左腕
3位即戦力野手(二遊間or外野)
4位高卒野手(大砲候補)
5位???
6位???
3位以下は多少順位が入れ替わっても問題ないと思うが、これが理想かと思う。6位以下については残っている選手がどうなるかわからない部分があるのでいったん保留だが、あまり大人数の指名はしないほうがいいだろう。不作年に大量指名すると2014年ドラフトの再来となる恐れがある。6人から多くて8人程度が良いだろう。もちろん育成指名ならばいくら指名してもらっても構わない。
ここからは各順位ごとに私が注目している選手を挙げていく
1位候補 即戦力外野手(大砲候補)
やはり貧打に泣かされる中日に最も必要なのは即戦力の大砲候補である。
ブライト健太(上武大学)
やはり彼でしょう。ブライト健太。中日ドラフトのカギを握っていると言っても過言ではない選手だ。まず走攻守揃っているところが良い。中日の場合外野のレギュラーは大島しかいないが、その大島ももう36歳とあってはセンター守備に衰えを隠せなくなっている。両翼は最悪外国人選手に守らせたり、郡司やアリエルをコンバートするという方法が取れるがセンターはそうはいかない。センターを守れるポテンシャルがある彼こそ中日にぴったりと言える。そして持ち前の長打力でバンテリンの壁をもろともせず、脚を使ってかき回すという活躍が期待できる。競合しそうな隅田や桐敷など好投手からホームランを打っているのも魅力だ。
彼の懸念材料として上武大学にてレギュラーを掴んだのが4年からという事がある。そのため現時点で確信をもって、1位候補とは言えないのが現状だろう。だが、中日スカウトの熱意、マスコミでの取り上げられ方から彼を指名する確率はかなり高いと思われる。10月から始まる秋リーグ。ドラフトまでに4試合しかアピールの場はないが、そこでアピールに成功すれば1位指名は間違いないと思われる。
正木智也(慶應義塾大学)
今年の大卒No.1スラッガー。実績は申し分なく、指標も優秀。ブライトと違って走攻守揃っているわけではないが長打力はたぐいまれで、率も残せそうだ。
しかし、中日スカウト陣のコメントはブライトほど熱を感じない。「2割だがホームランは打てる」という評価からして、彼の独特なひねりのある打撃フォームでは率を残せないと考えているのだろうか。
現時点では1位濃厚との評価だが守備や脚に難があることから下手すれば中日の2位まで残っている可能性もある。その場合、1位ブライト2位正木の指名も可能となるのでもし残っていたら積極的に狙ってほしい。
2位候補(即戦力左腕)
中日は左腕がやや薄く特にリリーフ陣はまともな戦力は福のみ。先発も小笠原、大野、松葉、笠原がいるがその他にはいない。競合の可能性が高い隅田や、全体的にレベルの高い佐藤はさすがに1位で消えるだろう。残りの選手の評価がどうなるかわからないが今回上げる選手のうち何人かは1位で消えるだろう。
山田龍聖(JR東日本)
最速153キロのキレのあるストレートとチェンジアップが武器の高卒社会人投手。制球はばらつきがあるも、破綻はしていない。なんといっても奪三振能力が高いのが良い。21歳という若さから伸びしろも十分で、先発で起用できる。根尾率いる大阪桐蔭と対戦し11三振を奪うも敗れるという高校時代の経歴、名前に龍が入っているところに縁を感じなくもない。彼を2位で指名できたらかなり良いドラフトだろう。でも1位で消えるかなあ。
山下輝(法政大)
188㎝の長身から151キロの重いストレートにツーシームやカーブを交えて投げる左腕。変化球の質が高そうで、体格からロマンも感じる。制球は山田よりもよさそうだ。1年時に大けがをしてトミージョン手術を受けているがそれが指名に影響があるのかはわからない。山田と同様、2位で指名できればうれしい選手だが、中日スカウトから名前が出ていないのが気になるところ。
鈴木勇斗(創価大)
173㎝と小柄ながら最速152キロの直球を投げ、チェンジアップを効果的に使う、奪三振能力の高い左腕。個人的には山下や山田より直球の伸びを感じる。課題はやはり制球力だろうか。外れ1位で消えることもあり得るだろう。
森翔平(三菱重工West)
150キロの直球を誇る大卒社会人。今年の即戦力左腕は本格派が多いが彼もその一人。全体的な能力の高さを誇るが、器用貧乏にならないかが少し不安。
石森大誠(火の国サラマンダーズ)
典型的なパワーピッチャーで24歳の独立出身左腕。最速155キロの直球が武器で奪三振率が非常に高い。リリーフとして活躍しているが変化球も多彩でストライクを取れるので先発でも使えるかもしれない。微妙な制球力がウィークポイントか。
桐敷拓馬(新潟医療福祉大)
中日笠原の後輩にあたる左腕。チェンジアップを投げる左腕という点で笠原と被るが、制球力、球威ともに笠原以上と評価を得ている。しかしながら地方リーグの選手はなかなか成績で評価しづらい部分があることは間違いない。
3位候補 即戦力野手(二遊間or外野)
両翼が不在+大島の年齢を考えると1位指名の一人では不十分なので外野はできれば二人指名したいところ。また二塁手も堂上、三ツ俣、溝脇と悪くはないのだが年齢的にも能力的にもパッとしないイメージなので指名できたらいいと思う。打線の強化を図りたいという狙いだ。
山城響(富士大)
左打ちのスラッガータイプ。選球眼が良く三振が少ないので活躍しそうな感じがある。中日スカウトしかコメントを出していないので縁もあるかもしれない。守備位置は両翼だが、セカンドも守っているようだ。ただ、プロでセカンドを守れるかは微妙なところ。中日スカウトによれば「内野手としての魅力を感じる」そうだが...
脚もそこそこ速いので器用なスラッガーといったイメージがある。
渡部遼人(慶應義塾大)
170cmと小柄な外野手。非常に足が速く、ミートセンスも高いため阪神近本2世と呼ばれている大島の後継者候補。守備力は高く広いバンテリンドームのセンターを任せるに足るといえる。社会人野球入りが内定しているがプロ志望届を提出しており、順位氏張りがあるのかもしれない。指名順位を予想すると3位から4位といったところか。意外にもパンチ力がなくもないか。
水野達稀(JR四国)
小柄な高卒社会人遊撃手。走攻守三拍子そろっているが、バッティングにしても守備にしてもムラが大きいのが懸念点。三振率が低く、打撃にパンチ力もあるため期待はできそうだ。しかし、今年の即戦力ショートは不作、というか彼しかいないレベルなので知ショートが欲しい横浜や日ハムなどが先に指名してきそうだ。指名順位は2位から5位。最近少し調子を落としているため順位の予想は難しい。
池田来翔(国士舘大)
牧二世と言われる二塁手兼三塁手。2部リーグではあるものの指標は良い中距離バッター。彼もプロでセカンドを守れるのかが問題となってくる。若干他の選手よりスケールが落ちるとは思うので3位指名はもったいないような気がする。順位は4位から5位と予想。
4位候補 高卒スラッガー
スラッガー候補として期待できそうな選手は石川と石橋の二人しかいないのでもっとどんどん獲得していくべきだと考える。守備位置はそこまで考えなくてよいかと思われる。
田村俊介(愛工大名電高校)
本人は投手との二刀流を希望しているようだが、評価は完全に野手評価。愛工大名電では投手として出場しないときは左利きでありながらサードで出場するなどしていた。プロでは外野になりそう。強肩なので向いているだろう。バッターとしては完全なスラッガーというよりは中距離寄りのバッターになりそう。
高木翔斗(県岐阜商)
恵まれた体格を持つ強打の捕手。スイングがノーステップで少し癖があるように見えるのとキャッチャーという守備位置がドラゴンズにとってどういった評価になるのか分からない。村上のようにファースト、サードができるというのであればキャッチャーからコンバートも考えられるか。
前川右京(智弁学園)
左バッターで、とにかく打てる、飛ばせる、ミート力や選球眼にも定評があると「打」についての評価は文句なしだが問題は「守」「走」。守備位置としてはレフトかファーストになりそうだ。さすがに3位までに消えそうだが去年同じような評価だったオリックス来田が3位の最後まで残っていたこともあり案外4位まで残ることもあるかもしれない。
以上を踏まえて中日の指名を現実的に考えると
1位ブライト(上武大)
2位森(三菱重工West)
3位山城(富士大)
4位田村(愛工大名電)
5位竹山(愛工大名電)
6位安田(愛知大)
育成1位伊藤(中京大)
こんな感じかなと
5位以下は割と適当に地元中心に選んだ
5位の竹山は伸びのあるストレートが特徴の地元右腕
6位安田はとにかく長打力があり、愛知2部リーグとはいえホームランを量産する強肩のキャッチャー
7位星野は走攻守にバランスの整った遊撃手
育成1位伊藤は中日スカウト注目のがっしりとした左腕
中日スカウトのコメントが出ていることを条件に選んだ
本当は5位以下で即戦力の投手を指名したいところなのだが勉強不足で良い選手が思い浮かばなかった。
また、ブライトが2位で指名できると踏んだ場合は
1位に佐藤(筑波大)か隅田(西日本工業大)、外れ一位で山田龍(JR東日本)を指名して2位にブライトが指名できれば、それに越したことはないだろう。