折紙彗星

色々と書く

今の中日ドラゴンズはなぜ弱いか?

 

プロ野球の開幕から一か月が経とうとしている。

わが贔屓球団、中日ドラゴンズの立ち位置はというと

 

5位(6勝11敗3分)首位阪神とのゲーム差は8

となっている。

 

去年8年ぶりにAクラス入りを達成し、今年こそは優勝するぞと意気込んだはいいが、スタートダッシュに失敗している。中日はなぜ勝てていないのか?

 

中日の試合を見ている人なら分かるようにその原因は

 

貧打

これにつきる。現時点で

チーム打率.220 本塁打数3(1位阪神は18本、5位横浜でも14本)

という数字は他の追随を許さず圧倒的最下位だ。

なんせあの打撃難に定評があり、それを柳裕也、高橋周平らチームメイトからもネタにされている加藤匠馬のキャリアハイである2019年の打率が.228なのだ。つまり今の中日打線は加藤が九人並んでいるも同然である。勝てるはずがない。

そしてそんな打線の中でもとびぬけてひどいのが左翼と右翼だ。主に福留、根尾、平田らが守っているポジションだが彼らは全員打率1割台、ホームランは当然のように0本である。一方で他球団を見渡してみると、鈴木誠也、佐野、サンズといった強打者が占めており、この外野陣の差こそが他球団と中日の差であるといえよう。

一体全体どうして中日の外野陣はこれほどまでにひどくなってしまったのか。その理由が今の中日が弱い理由に直結する。私が考えるにその理由は3つある。

 

1つ目。主力の不調or衰え

平田と福田のことだ。彼らは中日の主力であり、本来なら打線の中軸を任せたい選手だ。しかし、去年から不振が続き、今年に至ってはどちらも打率1割台。素人目に見てもひどすぎる三振で打てる気配もないときている。彼らが不調なのかもう衰えが始まっているのかはわからないが、この二人が機能しないことは首脳陣にとって大きな誤算だったことは間違いない。

 

2つ目。編成の偏り

主力の不調となれば控えの選手が代わりに出てくることとなる。例えば中日の場合、去年までのレギュラーである阿部が大不振に陥ってしまったが、代わりに起用された中堅選手の三ツ俣が攻守にいいプレーを見せているので大きな問題には至っていない。ところが中日の外野の場合福田、平田の代わりに起用されているのが球界最年長で去年阪神をクビになった福留と、まだ高卒3年目で二軍でも十分な結果を出したとは言えない根尾だ。このような事態になった理由を掴むために、まずは中日の外野陣を見て頂きたい。

43歳 福留(ドラ1)

39歳 藤井(大社ドラ3)

35歳 大島(ドラ5)

33歳 平田(高ドラ1)

32歳 遠藤(ドラ7)

31歳 井領(ドラ6)

27歳 渡辺(育成ドラ6)

27歳 武田(オリックスとのトレード、ドラ4)

24歳 滝野(ドラ6)

23歳 三好(ドラ6、ルーキー)

21歳 伊藤(ドラ5)

19歳 岡林(ドラ5)

 

まず目につくのが高年齢の選手が多いこと。藤井はおいておくとして、井領、遠藤らの選手は悪い選手ではないが、これまでプロで目立った好成績を残したことがなくもう衰えが始まろうという年齢に差し掛かっている。そのため、主力の代役として十分な成績を残すことは期待しにくい。

そして本来こういった事態になったとき台頭すべき中堅選手の候補が異様に少ない。渡辺は育成出身でこれまでのプロ生活をほぼ2軍で過ごしてきた選手。守備難だが2軍では昨年4割近い打率を残した。ポテンシャルは高いと思うし、今後、主力となる可能性も十分にあるが戦力として計算できる選手ではない。武田は渡辺と違って守備がうまい選手だ。しかし打撃難で有名な選手であり、起用法としてはピンチバンターか守備固めがメインとなる選手だ。彼も打撃に関しては計算できる選手ではないだろう。滝野は去年初安打を放った選手だ。俊足で三振が少ないタイプだが守備が致命的で、スタメンで使うのには厳しいものがある。できれば代打や代走で起用したい選手だ。

三好、伊藤、岡林ら3人はまだ育成中の選手であり、やはり戦力としては計算しづらい。

さらに気になるのがドラフトの順位が低い選手が多いことだ。下位の選手でも活躍することはあるが、やはりポテンシャルが高いのは上位の選手で、戦力になりやすいのも上位の選手だ。また、下位の選手には打撃はそこそこだが守備が下手といった選手が多く、レギュラーになりづらいというのもある。

要するに中日はこれまでのドラフトで撒いた種の数が異常に少なかった。そのため今30台の選手の後釜となるような選手が生えてこず、平田福田の代わりに福留根尾が出場するという現象が発生しているのだ。彼らの後継者について中日球団はどういった計画を立てていたのか。そのあたりの思慮が浅はかであったように感じる。

 

3つ目、外国人選手の不在

打撃については申し分ないがケガがあまりに多すぎたアルモンテに代わって中日が獲得したのがマイク・ガーバーだ。当然与田監督も、彼に中軸を任せるつもりでいたはずである。しかしながらコロナウイルスの影響で来日が遅れてしまった。外野手の選手層が薄すぎる中日にはこれが大きな打撃となってしまった。

 

では中日はどうすれば外野の弱点をなくせるか。

まず頼れる外国人選手を獲得すること。ガーバーが活躍するなら彼でいいし、彼が今一つならもっと良い選手を連れてきて、何としてでも外野を1枠埋めなければならない。次に、岡林、三好、滝野らを育成しレギュラーに仕立て上げる事。中日の今後は彼らにかかっている。そしてトレードやコンバートも積極的に考えないといけない。他のチームなら控えでも中日の外野事情ならレギュラーという選手は多いと思われる。また、石川、石橋などが外野を守れるようになれば外野問題は解決するかもしれない。最後にドラフトで即戦力の長距離砲外野手を上位で獲得すること。これは本来なら2年くらい前から行わなければならなかったことだ。下位で素材型ばかり集めてもどうしようもないほどにひどい今の状況だ。中日球団には現実を見て、未来を見据えた運営を行ってほしいものである。