折紙彗星

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中日以外11球団のドラフト戦略(パリーグ編)

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前回に続いてパ・リーグ

パ・リーグ6位 北海道日本ハムファイターズ

順位 選手名 守備 所属 結果
1位 達孝太 投手 天理高  
2位 有薗直輝 内野手 千葉学芸高  
3位 水野達稀 内野手 JR四国  
4位 阪口樂 投手 岐阜第一高  
5位 畔柳亨丞 投手 中京大学附属中京高  
6位 長谷川威展 投手 金沢学院大学  
7位 松浦慶斗 投手 大阪桐蔭高  
8位 北山亘基 投手 京都産業大学  
9位 上川畑大悟 内野手 NTT東日本  
育成選手選択会議
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 福島蓮 投手 八戸西高  
2位 速水隆成 捕手 群馬ダイヤモンドペガサス  
3位 柳川大晟 投手 九州国際大学付属高  
4位 阿部和広 外野手 平塚学園高

日ハムの補強ポイントは二遊間とキャッチャーだ。二遊間と捕手は攻守に不安である。投手はリーグ平均レベル。外野は近藤がいるが太田が不調。中田は放出。西川も少々成績に陰りが出てきている。全体的に長打が余りにも不足しており二桁本塁打が現在一人もいないという深刻な状況。

1位はまさかの達。素材型の大型右腕だ。日ハムはその年もっともいい選手を取りに行くというのが方針であり、今年もそのような戦略を述べていたため、てっきり高卒投手の小園もしくは風間、大卒投手の隅田に入札すると考えていたが達を一本釣り。一本づ狙いなら地元の木村を取りに行くかもしれないと考えていたが予想外だった。

2位は高校トップクラスのスラッガー、有薗を指名。同じサードのスラッガー野村を3年前指名しており、今年レギュラーを掴んだがここで有薗を選択。強肩で外野もできるようなので問題ないだろう。

3位は即戦力の二遊間水野を指名。この順位で獲得できたのはおいしかったのではないか。同じく二遊間が欲しい横浜が日ハムの一つ後だったのが功を奏したか。打撃のパンチ力に加え守りや脚にも定評のある高卒社会人ですぐにでもレギュラーを獲得できるかもしれない。

4位阪口、5位畔柳はどちらも中京圏の選手だ。

阪口は有薗に続いて二人目となる高卒スラッガー。将来の大砲を考えての指名だろうが、大卒から多く獲得した中日とは対照的な指名だ。5位畔柳はここまで残るとは思っていなかった。ほぼ6位に近い指名である。

6位から8位まで投手を連続で獲得するのは驚きだ。

9位の上川端は極端に三振が少なく、守備に定評のあるショートで去年指名漏れを経験した選手。水野につづき即戦力のショートを二人も獲得することとなったが、1年目から守備固めならば活躍できる可能性は高いかもしれない。

捕手の即戦力も獲得したかっただろうが古賀が3位で消えてしまったこと、去年古川を指名していることを考えると難しい部分がある。

この不作年に9人も指名するのはなかなか勇気がいる。2014年の中日ドラフトのようにならないとよいが。

中日に欲しかった選手・・・水野達稀

中日の場合ショートではなくセカンドで起用し、堂上三ツ俣らとの競争に打ち勝つことが期待できた選手。打線の強化と若返りを図るために中日に欲しかった逸材だ。

パ・リーグ5位 埼玉西武ライオンズ

埼玉西武ライオンズ

新人選手選択会議[5]
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 隅田知一郎 投手 西日本工業大学  
2位 佐藤隼輔 投手 筑波大学  
3位 古賀悠斗 捕手 中央大学  
4位 羽田慎之介 投手 八王子学園八王子高  
5位 黒田将矢 投手 八戸工業大学第一高  
6位 中山誠吾 内野手 白鷗大学  
育成選手選択会議
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 古市尊 捕手 徳島インディゴソックス  
2位 滝澤夏央 内野手 関根学園高  
3位 菅井信也 投手 山本学園高  
4位 川村啓真 外野手 國學院大學

西武の課題はリーグ最下位の投手陣。打線も割と深刻で、捕手とショートはリーグトップだがそれ以外が人材難である。だが、去年野手ドラフトを行っているため今年は最優先課題である投手の補強を行うというのが大方の予想だった。

1位は公言通り隅田を指名し、4球団競合の末見事引き当てた。2位で佐藤が取れたのはかなりうれしい誤算ではないか。隅田に次ぐほどの高評価を得ていた佐藤がここまでで残っているとは。ケガをしているとのことだがもしかしたら結構深刻なのだろうか。ともかく左腕に目立った選手がほぼ不在という西武のあまりに深刻な状況をかんがえるとこの二人が獲得できたのはあまりにも大きい。

3位の古賀は大学No.1キャッチャーである。森以外のキャッチャーが台頭していない中、彼が捕手として独り立ちできれば、森をときに指名打者として使用しつつ併用していくことが可能となるだろう。

全体的に見て12球団で最も高評価のドラフトだろう。

中日に欲しかった選手・・・佐藤俊輔

ケガさえなければ隅田よりも完成度は高く、間違いなく1位で消えていたほどの選手。制球力、奪三振力共に申し分ない。大野の次の左腕エースとなりえた逸材である。

 

パ・リーグ4位 福岡ソフトバンクホークス

順位 選手名 守備 所属 結果
1位 風間球打 投手 ノースアジア大学明桜高  
2位 正木智也 外野手 慶應義塾大学  
3位 木村大成 投手 北海高  
4位 野村勇 内野手 NTT西日本  
5位 大竹風雅 投手 東北福祉大学  
育成選手選択会議
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 藤野恵音 内野手 戸畑高  
2位 川村友斗 外野手 仙台大学  
3位 井崎燦志郎 投手 福岡高  
4位 三浦瑞樹 投手 東北福祉大学  
5位 田中怜利ハモンド 投手 帝京第五高  
6位 加藤光稀 投手 滝川第二高  
7位 山崎琢磨 投手 石見智翠館高  
8位 佐久間拓斗 捕手 田村高  
9位 山本恵大 外野手 明星大学  
10位 加藤晴空 捕手 東明館高  
11位 瀧本将生 投手 市立松戸高  
12位 三代祥貴 内野手 大分商業高  
13位 佐藤琢磨 投手 新潟医療福祉大学  
14位 仲田慶介 外野手 福岡大学

昨年の優勝チームが一転、4位となってしまった。投手陣は相変わらずリーグ1の強力さを誇るも、打線の弱体化が激しい。投手については先発として勝利を稼いでいるのは30歳前後の選手が中心であるものの、松本、笠谷など20代前半の選手が出ていることもあって、そこまで問題ではないだろう。問題は打線で、リーグ平均レベルであるものの昨年と比較して大きく弱体化してしまっている。

グラシアルはケガによる離脱で中盤からは1軍に復帰できず、デスパイネ指名打者としては成績があまりにも寂しい。松田もopsが7を切る状況。この3人はいずれも年齢的にそろそろ限界で一刻も早く後継者が欲しいところ。また、ファーストの中村も成績が低迷している。柳田ももう30代中盤に差し掛かる。

ソフトバンクの補強ポイントは外野もしくはファースト、サードの打てる選手である。

二遊間、センターも補強ポイントに入るが、まずは打てる選手が欲しいところである。

投手ももちろん不要ということなく好素材を獲得していかなければならない。

1位は風間を単独指名。いかにもソフトバンクが好きそうな剛速球が特徴のピッチャーで、とても似合っていると思う。

2位に即戦力スラッガー正木を獲得できたことは幸運だった。正木は外野を任せるには守備が不安ではあるものの、ファースト、DHがしっかりしないソフトバンクならば打てさえすれば出場機会は得られるだろう。

3位の木村は高校生No.1左腕。即戦力を取りに行くべきではないかと思ったが高卒投手が好きなソフトバンクらしい指名である。

5位の大竹は本人ですら指名されると思っていなかったという超隠し玉指名である。

もうすこし即戦力の野手を獲得したかっただろうが今年は不作なので仕方がない。正木が獲得できた時点で良かっただろう。

中日に欲しかった選手・・・正木智也

やはり大卒No.1スラッガーであり、中日もレフトが空いているので一年目から出場できる。それにしても正木よりも鵜飼を優先させたのは驚いた。

パ・リーグ3位 東北楽天ゴールデンイーグルス

東北楽天ゴールデンイーグルス

新人選手選択会議[9]
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 吉野創士 外野手 昌平高  
2位 安田悠馬 捕手 愛知大学  
3位 前田銀治 内野手 三島南高  
4位 泰勝利 投手 神村学園高  
5位 松井友飛 投手 金沢学院大学  
6位 西垣雅矢 投手 早稲田大学  
7位 吉川雄大 投手 JFE西日本  
育成選手選択会議
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 宮森智志 投手 高知ファイティングドッグス  
2位 柳澤大空 外野手 日本大学藤沢高  
3位 大河原翔 外野手 東海大学山形高

楽天の補強ポイントはまずはキャッチャー、二遊間も浅村のコンバートも考え、ショート不足の現状から補強ポイントである。

しかしキャッチャー以外は切羽詰まった状況とは言えないかもしれない。

1位指名は吉野。外野のスラッガー候補としてはセンターを守れるのが特徴で、前川らと評価の差がついたのはセンターラインが守れるかどうかだと考えられる。しかし、1位指名でも少し驚きなのに楽天がいきなり1位入札は驚いた。左腕は去年早川を取っており、今年は欲しい選手を積極的にとりに行く戦略なのだろうか。

2位の安田はさらに驚いた。愛知2部という地方リーグの中でもレベルの低いリーグ出身であることから、いくら長打力がすごいとはいえ、中位以降の指名になるだろう、もしかしたら中日がとるかと考えていただけに本当に驚いた。長打力のある選手の順位は年々上がる一方だ。鵜飼を中日が2位で取ったのもうなずける。キャッチャーとして守っていけると考えているのだろう。

3位の前田も驚き。身体能力の高いスラッガー候補であるが高卒でポジションもかぶりそうなのに二人も指名するとは思ってもいなかった。

12球団すべての中で最も衝撃的だったのが楽天ドラフトである。1位から3位まで予想外の選手がずらり。

中日に欲しかった選手・・・安田悠馬

やはりあの長打力は本当に魅力的だ。ポジションはキャッチャーでいくのか外野に回すのか評価が分かれるだろう。

 

パ・リーグ2位千葉ロッテマリーンズ

新人選手選択会議[11]
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 松川虎生 捕手 市立和歌山高  
2位 池田来翔 内野手 国士舘大学  
3位 廣畑敦也 投手 三菱自動車倉敷オーシャンズ  
4位 秋山正雲 投手 二松学舎大学附属高  
5位 八木彬 投手 三菱重工West  
育成選手選択会議
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 田中楓基 投手 旭川実業高  
2位 速水将大 内野手 富山GRNサンダーバーズ  
3位 永島田輝斗 投手 立花学園高  
4位 村山亮介 捕手 幕張総合高

ロッテの補強ポイントはキャッチャー。また日本人打者に長打力のある選手がいないという状況も改善したいところだろう。

1位は松川。個人的にかなり評価していた選手で、高卒スラッガーとしてはNo.1だと考えていた。1位に入札したときはうまいなあと感じた。キャッチャーは一刻を争う状況だが、松川ならそう時間がかからず育成できると考えているのかもしれない。

2位の池田は思ったよりも評価が高かったイメージ。二塁候補としては山城や水野、野口のほうが高く評価されるだろうと考えていた。牧と似たタイプであり、即戦力として期待がかかるだろう。

逆に3位の廣畑は思ったよりも評価が低かったように思える。直前の登板で炎上していたのが響いたとは考えづらいか。どこの球団も左腕を優先させたからかもしれない。

 

中日に欲しかった選手・・・松川虎生

次世代のスラッガー候補で中日と縁がないことは分かっていたが欲しかった選手。とにかく打てる選手が欲しい。

パ・リーグ1位 オリックス・バファローズ

順位 選手名 守備 所属 結果
1位 椋木蓮 投手 東北福祉大学  
2位 野口智哉 内野手 関西大学  
3位 福永奨 捕手 國學院大學  
4位 渡部遼人 外野手 慶應義塾大学  
5位 池田陵真 外野手 大阪桐蔭高  
6位 横山楓 投手 セガサミー  
7位 小木田敦也 投手 TDK  
育成選手選択会議
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 山中尭之 外野手 茨城アストロプラネッツ  
2位 園部佳太 内野手 福島レッドホープス  
3位 大里昂生 内野手 東北福祉大学

バファローズの補強ポイントはキャッチャーで支配下の数自体少ない。二遊間も補強ポイントである。紅林が今後どうなるのか、福田周平は今後もセンターなのか。そのあたりの動向次第である。オリックスはレギュラー陣は強力だが、その他の選手の層が非常に薄いイメージだ。

結果1位は椋木を単独指名。この手の一本釣りがオリックスはとても上手なイメージだ。2位は野口で二遊間をばっちり補強。3位の福永は驚いた。守備型というイメージだがオリックスに一番必要なタイプかもしれない。だが25番目で指名されるとは思わなかった。4位の渡部も近本2世と言われる好素材である。5位の池田はここまで残るとは思っていなかった。

オリックスの指名が個人的には12球団で一番好きだ。ばっちりと好選手を即戦力で補充していく姿勢が高評価できる。補強ポイントをすべてクリアした指名でとても上手に感じた。全体的に指標の良い選手も多い。

中日の欲しかった選手・・・渡部遼人

大島の後継にふさわしい選手。俊足好打もどきみたいな選手が中日には多いがそういった選手全てにとっての脅威となり得る選手だと考えた。